3分英文解析(1)

最低限の語彙があれば雰囲気で英語を読めてしまうが、たまに真面目に構文解析しないと文意がとれないものもある。そういう英文を気が向いたら分析する。

次の文章はMelanie Mitchellの"Artificial Intelligence: A Guide for Thinking Humans"からの引用。皆さんはさらっと読めるだろうか。

To think that we might soon be able to command a preprogrammed mass-produced mail-order twenty-dollar desk-model “music box” to bring forth from its sterile circuitry pieces which Chopin or Bach might have written had they lived longer is a grotesque and shameful misestimation of the depth of the human spirit.

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基本の構造は、“To think X is a grotesque and shameful misestimation of Y"で、「Xと考えることは、Yに対する醜く恥ずべき見当違いである」ということになる。不定詞が主語で、補語までの距離が遠く、しかも間に"had they lived longer (= if they had lived longer"という仮定法の倒置がはさまっているので、油断すると基本構造を見誤りそうになる。

次にthat節の中身を見てみる。“we might soon be able to command X to Y"となり、「我々は近々XにYするように命じることができるだろう」という意味の文章だが、Yの部分がやや分かりにくい。動詞bringの目的語が少し後の"pieces which…“であり、目的語が長いためfrom以下が前に出てきている。forthはなんなんだと思うが、これはbring forthで句動詞を形成している。つまり、「piecesがits sterile circuitryから生じる」ということである。

以上から、全文訳(意訳)は

通信販売用に大量生産された、20ドルのプログラム済み卓上ミュージック・ボックスに命じて、その無味乾燥な電気回路から、ショパンやバッハが長生きしていれば存在したかもしれない作品を生み出せるように近々なるかもしれないと考えることは、人間の魂の深みに対する醜く恥ずべき見当違いである。

という具合になるだろう。