あなたの英会話をマシにする今日からできる3つのこと

以前、物騒なタイトルで英語学習のややテクニカルな記事を投稿したが、今回は会話に絞って、しかもすぐに実践できる3つのテクニックを紹介する。

低い声で話す

この動画で話されている英語を聞いてみなさんはどう思うだろうか。特に違和感を感じないと思うが、実際に同じような音を出そうとしてみてほしい。

日本語では不自然なくらい喉を開いて、かなり低い音を出さないといけないことに気づくだろう。英語の有声音は「喉で音を作って口で加工する」というのをはっきりと意識したほうがそれらしい音が出ると思う。自分は言語学の専門知識を持ち合わせていないし1、もちろん色んな喋り方の人がいるので、単なる直感でしかないが、試してみて損はないだろう。

字幕を切る

字幕付きで映画を見るというのは、外国語の学習方法の中でも特にメジャーなものだろう。それ自体はもちろん効果的なのだが、どこかで字幕に頼るのをやめないといけないということは忘れられがちだ。人間の言語処理はシングルスレッドなので、字を読みながら音声を聞くというのは非常に難しい。字幕を使用しているときは読む処理が優先されていて、ほとんど聞いていない。

これが問題なのは、字幕の体験が実際の会話と大きく異なるためだ。言うまでもなく、リアルタイムの会話では字幕がないし、文章を前後に行ったり来たりして確認できない。「聞く」能力が個別に開発されていないと、実際の会話で自分だけ理解度が低いということが多発する2

字幕を完全に切るのに勇気がいる場合は、必要なとき以外は焦点を合わせないようにしてもいいかもしれない。Podcast等の音声コンテンツを併用するのも当然効果的だ。

ゆっくりしゃべる

何か当たり前のことしか言っていない気がして気が引けてきたが、ゆっくりしゃべるのは意外に難しい。ある程度言語能力が上がってくると、どこかで思考の速さが発話を追い抜くようになる。すると、以下のような理由で早口になりがちだ。

これが癖になると、さっきの例とは逆に、相手の理解度が自分が思うより低いという現象が度々観測されるようになる。自分は自分の言うことを既に知っているから気にならないが、まずい英語を早口で喋った場合の情報のロスは相当だ。立場や専門性が上がり、相手にとって新規の情報を話すようになるとこれがより顕著になる。誰も面と向かっては指摘してこないので、問題が明らかになるのに時間差がある。

自分の言葉を録音して、上手いかどうかより、ちゃんと文字に起こせるかという点に注意して聞いてみるとよいと思う。

まとめ

「相手を理解し、相手に理解してもらう」という会話の主目的を達成できるように色々工夫しましょう、という話でした。コロナ禍で多人数のオンラインミーティングの機会が増えたと思うが、外国語話者には結構辛いよね。


  1. チョムスキーの動画を例に使っているのに、というジョークである。自分で説明してしまった! ↩︎

  2. 日本人には想像しにくいが、実コミュニケーションを主軸に言語学習をする人はたくさんいる。変な文章を書くからといってたかをくくっていると、対人での情報収集能力が桁違いで寝首をかかれる。 ↩︎