モチベーションの設計

このご時世、大人になってから新しいスキルを身に着ける必要にせまられることは珍しくない。こういうときに意思の力は役に立たない。目標というのは決めたからといってどうにかなるものではない。いかにそれが大事なことだと分かっていても、前提条件が満たされていなければ効率のよい学習は望めない。

モチベーションを外部から影響可能なものとして捉える人もいるが、私は状態によってモチベーションが決定しているというという逆の見方をするべきだと考える。その意思によらず、既知の事柄の外縁は常に学習に適している。知っていることと知らないことのバランスが適切であるとき、そこに興味が生まれる。

興味関心の対象に合理的な必然性はない。基本は気の赴くままにやって時々目標を横目でみて軌道修正する。そういうのが一番効率が良いのではないか。「気が向く」ということは最高のアドバンテージであり、それを意志の力で変えようとするのはもったいないし、大体は徒労に終わるだろう。

エンジニアをしていると「転職して未経験でエンジニアを目指したい」といった類の話を小耳に挟む。そういう時、それを現在の自分の延長線上に描けるかどうかが肝なんじゃないかといつも思う。